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Oracle Database Clientインストレーション・ガイド
11gリリース1(11.1) for Solaris Operating System
E05979-02
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2 インストール前の作業

この章では、Oracle Universal Installerを起動する前に完了しておく必要がある作業について説明します。作業の内容は次のとおりです。

2.1 システムへrootとしてログイン

Oracleソフトウェアをインストールする前に、rootユーザーとしていくつかの作業を完了する必要があります。rootユーザーとしてログインするには、次の手順のいずれかを実行します。


注意:

サイレント・モードのインストールを実行する場合を除き、X Window Systemワークステーション、Xターミナル、またはXサーバーがインストールされているPCやその他システムからソフトウェアをインストールする必要があります。

サイレント・モードのインストールの詳細は、付録Aを参照してください。


2.2 ハードウェア要件の確認

システムは、次の最小ハードウェア要件を満たしている必要があります。

2.2.1 メモリー要件

Oracle Database 11gリリース1のインストールのメモリー要件は次のとおりです。

  • 256MB以上のRAM。

    RAMサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/prtconf | grep "Memory size"
    

    RAMのサイズが必要サイズより小さい場合は、先に進む前にメモリーを増設する必要があります。

  • 次の表では、インストールされているRAMと構成済スワップ領域要件の関連を示します。

    使用可能なRAM 必要なスワップ領域
    257MB〜512MB RAMのサイズの2倍
    513MB〜2048MB RAMのサイズの1.5倍
    2049MB〜8192MB RAMのサイズと同じ
    8192MB超 RAMのサイズの0.75倍

    構成済スワップ領域のサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/swap -s
    

    必要に応じて、オペレーティング・システムのドキュメントを参照して追加のスワップ領域の構成方法を確認してください。

  • 次のコマンドを入力して、使用可能なRAMおよびスワップ領域を確認します。

    # sar -r i n
    

    nは次の反復に対する遅延(秒)、iはテストする反復の数です。


注意:

使用可能なRAMおよびスワップ領域は、1つの値で判断せずに、複数の値を取得することをお薦めします。これは、ユーザーとコンピュータとの対話によって使用可能なRAMおよびスワップ領域が常に変化しているためです。

2.2.2 システム・アーキテクチャ

そのシステム・アーキテクチャでソフトウェアを実行できるかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

# /bin/isainfo -kv

注意:

このコマンドにより、プロセッサ・タイプが表示されます。プロセッサのアーキテクチャが、インストールするOracleソフトウェアのリリースと一致することを確認します。想定する出力が表示されない場合は、このシステムにソフトウェアをインストールできません。

2.2.3 ディスク領域要件

Oracle Database 11gリリース1のインストールのディスク領域要件は次のとおりです。

  • /tmpディレクトリでのクライアント・インストールの最低ディスク領域要件は、150MBです。

    /tmpディレクトリ内の使用可能なディスク領域の量を確認するには、次のコマンドを入力します。

    Solaris 10の場合:

    # df -h /tmp
    

    その他のSolarisプラットフォームの場合:

    # df -k /tmp
    

    /tmpディレクトリの使用可能な空きディスク領域が400MB未満の場合は、次の手順のいずれかを実行します。

    • ディスク領域の要件が満たされるように、/tmpディレクトリから不要なファイルを削除します。

    • oracleユーザーの環境を設定するときに、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

    • /tmpディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。ファイル・システムの拡張については、必要に応じて、システム管理者に連絡してください。

  • 次のコマンドを入力して、使用可能な空きディスク領域のサイズを確認します。

    Solaris 10の場合:

    # df -h
    

    その他のSolarisプラットフォームの場合:

    # df -k
    
    インストール・タイプ ソフトウェア・ファイルの要件(MB)
    InstantClient 476
    管理者 2.12(GB)
    ランタイム 1.49(GB)
    カスタム(最大) 1.74(GB)

2.3 ソフトウェア要件の確認

インストールする製品に応じて、次のソフトウェアがシステムにインストールされているかどうかを確認します。


注意:

Oracle Universal Installerは、システムをチェックして、リストに示されている要件を満たしているかどうかを検証します。これらのチェックに合格するために、Oracle Universal Installerを起動する前に要件を確認してください。

2.3.1 オペレーティング・システムの要件

Oracle Database 11gリリース1のオペレーティング・システムの要件は次のとおりです。

  • Solaris 9 Update 7以上

  • Solaris 10

インストールされているSolarisのディストリビューションおよびバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。

# uname -r
5.9

この例の場合、表示されているバージョンはSolaris 9(5.9)です。オペレーティング・システムのアップグレードについては、必要に応じてオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

2.3.2 パッケージ要件

Oracle Database 11gリリース1のパッケージの要件は次のとおりです。

項目 要件
パッケージ 次のパッケージ(またはそれ以降のバージョン)がインストールされている必要があります。
SUNWarc
SUNWbtool
SUNWhea
SUNWlibC
SUNWlibm
SUNWlibms
SUNWsprot
SUNWtoo
SUNWi1of
SUNWi1cs
SUNWi15cs
SUNWxwfnt
SUNWsprox

注意: SUNWsproxパッケージは、Solaris 10ではサポートされていません。

ロケールによっては、Java用に別のフォント・パッケージが必要な場合もあります。詳細は、次のWebサイトを参照してください。

http://java.sun.com/j2se/1.4.2/font-requirements.html

次のようなコマンドを入力して、必要なパッケージがインストールされているかどうか確認します。

# pkginfo -i SUNWarc SUNWbtool SUNWhea SUNWlibm SUNWlibms SUNWsprot \
 SUNWsprox SUNWtoo SUNWi1of SUNWi1cs SUNWi15cs SUNWxwfnt

インストールされていないパッケージを、インストールしてください。パッケージのインストールについては、オペレーティング・システムまたはソフトウェアのドキュメントを参照してください。

2.3.3 コンパイラ要件

Oracle Database 11gリリース1以降、Pro*C/C++、Oracle Call Interface、Oracle C++ Call InterfaceおよびOracle XML Developer's Kit(XDK)では、Sun One Studio 11コンパイラおよびgcc 3.4.2コンパイラがサポートされます。

2.3.4 Instant Client Light要件

Instant Client Lightを使用する場合は、前の項で説明した要件の他に、アプリケーションで次の言語とキャラクタ・セットを使用する必要があります。

  • 言語: Oracleでサポートされる言語

  • 地域: Oracleでサポートされる地域

  • キャラクタ・セット:

    • シングルバイト

      • US7ASCII

      • WE8DEC

      • WE8MSWIN1252

      • WE8ISO8859P1

    • Unicode

      • UTF8

      • AL16UTF16

      • AL32UTF8

      Instant Client Lightは、次のデータベース・キャラクタ・セットのいずれかを備えるデータベースに接続できます。

      • US7ASCII

      • WE8DEC

      • WE8MSWIN1252

      • WE8ISO8859P1

      • WE8EBCDIC37C

      • WE8EBCDIC1047

      • UTF8

      • AL32UTF8

言語、地域およびキャラクタ・セットは、NLS_LANG環境変数によって決定されます。

2.3.5 その他のソフトウェア要件

使用するコンポーネントに応じて、次のソフトウェアがインストールされていることを確認する必要があります。

2.3.5.1 Oracle JDBC/OCIドライバ

次のJDKバージョン(オプション)をOracle JDBC/OCIドライバとともに使用できます。ただし、インストールに必須のものではありません。

Sun JDK 1.5.0

2.3.5.2 ブラウザ要件

WebブラウザがJavaScriptおよびHTML 4.0標準とCSS 1.0標準をサポートしている必要があります。次のブラウザは、それらの要件を満たしています。次のWebブラウザはOracle Enterprise Manager Database Controlをサポートしています。

  • Netscape Navigator 7.2

  • Netscape Navigator 8.1

  • Mozillaバージョン1.7

  • Microsoft Internet Explorer 6.0 SP2

  • Microsoft Internet Explorer 7.0 Beta以降

  • Firefox 1.0.4

  • Firefox 1.5

2.3.5.3 プログラミング言語

次の製品は次の言語での使用が動作保証されています。

  • Pro*COBOL

    Micro Focus Cobol 5.0

  • Pro*FORTRAN

    Sun ONE Studio 11(Fortran 95)

2.3.6 パッチ要件

Oracle Database 11gリリース1のパッチ要件は次のとおりです。

2.3.6.1オペレーティング・システム固有のパッチ

製品のインストール・タイプ 要件
全インストール Solaris 9用のパッチ:
  • 112233-11, SunOS 5.9: Kernel Patch

  • 118558-22 SunOS 5.9 : Kernel Patch

  • 111722-04, SunOS 5.9: Math Library (libm) patch

  • 112874-39 SunOS 5.9 : libc patch

Numa Systemでは次のパッチも必要です。

  • 115675-01, SunOS 5.9: liblgrp API

  • 113471-08, SunOS 5.9: Miscellaneous SunOS Commands Patch

  • 115675-01, SunOS 5.9: /usr/lib/liblgrp.so Patch

Solaris 10用のパッチ:

  • 127111-02 SunOS 5.10: libc patch

  • 137111-04 SunOS 5.10 : kernel patch

Pro*C/C++、Pro*FORTRAN、Oracle Call Interface、Oracle C++ Call Interface、Oracle XML Developer's Kit(XDK) Solaris 9用のパッチ:

112760-05, C 5.5: Patch for S1S8CC C compiler

Solaris 10用のパッチ:

  • 117837-05: C++ compiler optimizer patch

  • 117846-08: C++ compiler Optimization patch

  • 118682-01



注意:

サイレント・インストールの場合、次のパッチは不要です。
  • 108652-66, X11 6.4.1: Xsun patch

  • 108773-18, SunOS 5.8: IIIM and X I/O Method patch

  • 108921-16, CDE 1.4: dtwm patch

サイレント・インストールの詳細は、付録Aを参照してください。


次のようなコマンドを入力すると、オペレーティング・システムのパッチがインストールされているかどうかがわかります。

# /usr/sbin/patchadd -p | grep patch_number(without version number)

たとえば、111713パッチのいずれかのバージョンがインストールされているかどうかを確認するには、次のコマンドを使用します。

# /usr/sbin/patchadd -p | grep 111713

オペレーティング・システムのパッチは、インストールされていない場合、次のWebサイトからダウンロードし、インストールしてください。

http://sunsolve.sun.com

2.4 必要なオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成

このシステムにOracleソフトウェアを初めてインストールするかどうかにより、またインストールする製品により、次に示すオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成が必要になる場合があります。

システム上のOracleソフトウェアの全インストールに対して、単一のOracleインベントリ・グループが必要です。初回インストール後は、そのシステムへの以降のすべてのOracleソフトウェア・インストールに、同一のOracleインベントリ・グループを使用する必要があります。ただし、インストールごとに異なるOracle所有者ユーザーを作成することは可能です。


注意:

次の各項では、ローカル・ユーザーおよびグループの作成方法について説明します。ローカル・ユーザーおよびグループを作成するかわりに、Network Information Services(NIS)などのディレクトリ・サービスに適切なユーザーおよびグループを作成できます。ディレクトリ・サービスの使用方法は、システム管理者に問い合せるか、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

次の各項では、ローカル・ユーザーおよびグループの作成方法について説明します。

2.4.1 Oracleインベントリ・グループの作成

Oracleインベントリ・グループがまだ存在しない場合は、これを作成する必要があります。次の項目ごとに、Oracleインベントリ・グループが存在する場合の名前の確認方法、および必要な場合の作成方法を説明します。

Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかの確認

Oracleソフトウェアをシステムに初めてインストールするときには、Oracle Universal InstallerによりoraInst.locファイルが作成されます。このファイルでは、Oracleインベントリ・グループ名およびOracleインベントリ・ディレクトリのパスが識別されます。

次のコマンドを入力して、Oracleインベントリ・グループが存在するかどうか確認します。

# more /var/opt/oracle/oraInst.loc

このコマンドの出力がoinstallグループ名を示している場合は、該当するグループがすでに存在しています。

oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

inventory_loc=/u01/app/oracle/oraInventory
inst_group=oinstall

inst_groupパラメータは、Oracleインベントリ・グループ名(oinstall)を示します。

Oracleインベントリ・グループの作成

oraInst.locファイルが存在しない場合は、次のコマンドを入力してOracleインベントリ・グループを作成します。

# /usr/sbin/groupadd oinstall

2.4.2 Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

次の状況では、Oracleソフトウェア所有者ユーザーを作成する必要があります。

  • Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合。たとえば、これがシステムに対するOracleソフトウェアの最初のインストールの場合。

  • Oracleソフトウェア所有者ユーザーは存在するが、異なるオペレーティング・システム・ユーザーを使用する場合。

2.4.2.1 Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するかどうかの判別

oracleという名前のOracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するかどうかを判別するには、次のコマンドを入力します。

# id oracle

oracleユーザーが存在する場合、このコマンドからの出力は、次のようになります。

uid=440(oracle) gid=200(oinstall) groups=201(dba),202(oper)

ユーザーが存在する場合、既存のユーザーを使用するか、または他のoracleユーザーを作成するかを決定します。既存のユーザーを使用する場合は、そのユーザーのプライマリ・グループがOracleインベントリ・グループであることを確認してください。詳細は、次の項のいずれかを参照してください。

2.4.2.2 Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合や、新しいOracleソフトウェア所有者ユーザーが必要な場合は、次の手順で作成します。次の手順では、oracleという名前を持つユーザーが存在しない場合は、それを使用します。

  1. 次のようなコマンドを入力して、oracleユーザーを作成します。

    # /usr/sbin/useradd -g oinstall[ -G dba]oracle
    

    各項目の意味は次のとおりです。

    • -gオプションは、プライマリ・グループを指定します。oinstallなど、Oracleインベントリ・グループを指定する必要があります。

    • -Gオプションはオプションのセカンダリ・グループであるOSOPERグループ(たとえばdba)を指定します。

  2. oracleユーザーのパスワードを設定します。

    # passwd oracle
    

続行するには、「必要なソフトウェア・ディレクトリの識別」を参照してください。

2.4.2.3 Oracleソフトウェア所有者ユーザーの変更

oracleユーザーは存在するが、そのプライマリ・グループがoinstallでない場合は、次のようなコマンドを入力してプライマリ・グループを変更します。-gオプションを使用してプライマリ・グループを指定し、セカンダリ・グループが必要な場合は-Gオプションを使用して指定します。

2.5 必要なソフトウェア・ディレクトリの識別

Oracleソフトウェア用に次のディレクトリを識別または作成する必要があります。

2.5.1 Oracleベース・ディレクトリ

Oracleベース・ディレクトリは、Oracleソフトウェア・インストールの最上位ディレクトリです。これは、Microsoft WindowsシステムでのOracleソフトウェアのインストールに使用されるC:\Oracleディレクトリと類似しています。Solarisシステムでは、Optimal Flexible Architecture(OFA)のガイドラインによって、次に示すものと類似したパスをOracleベース・ディレクトリに使用することが推奨されています。

/mount_point/app/oracle_sw_owner

この例の詳細は次のとおりです。

  • mount_pointは、Oracleソフトウェアが格納されるファイル・システムのマウント・ポイント・ディレクトリです。

    このマニュアルの例では、マウント・ポイント・ディレクトリに/u01を使用しています。ただし、/oracleまたは/opt/oracleなど、別のディレクトリも選択できます。

  • oracle_sw_ownerは、oracleなど、Oracleソフトウェア所有者のオペレーティング・システム・ユーザー名です。

すべてのOracle製品を含むORACLE_BASEフォルダを指定する必要があります。


注意:

既存のORACLE_BASEがある場合は、既存のものを使用ドロップダウン・ボックスから選択できます。デフォルトでは、ドロップダウン・ボックスには、選択したORACLE_BASEの既存の値が含まれます。詳細は、「Oracle Clientソフトウェアのインストール」を参照してください。

ORACLE_BASEがない場合は、リスト内でテキストを編集し、新規作成できます。


同じOracleベース・ディレクトリを複数のインストールに使用したり、個別のOracleベース・ディレクトリを異なるインストール用に作成したりできます。異なるオペレーティング・システム・ユーザーが同じシステム上にOracleソフトウェアをインストールする場合、各ユーザーは個別のOracleベース・ディレクトリを作成する必要があります。次に示すOracleベース・ディレクトリの例は、すべて同じシステムに存在させることが可能です。

/u01/app/oracle
/u01/app/orauser
/opt/oracle/app/oracle

次の各項では、インストールに適した既存のOracleベース・ディレクトリの識別方法、および必要な場合のOracleベース・ディレクトリの作成方法について説明します。

Oracleベース・ディレクトリを作成するか既存のディレクトリを使用するかにかかわらず、ORACLE_BASE環境変数を設定して、そのディレクトリのフルパスを指定する必要があります。

2.5.2 Oracleインベントリ・ディレクトリ

Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)には、システム上にインストールされたすべてのソフトウェアのインベントリが格納されます。このディレクトリは、単一システム上にインストールされたすべてのOracleソフトウェアに必須であり、共有のものです。


注意:

データベースのインストールを開始する前にOracleベース変数が設定されている場合は、oraInventoryがデフォルトでOracle_baseの下に作成されています。

Oracleソフトウェアをシステムに初めてインストールする際は、このディレクトリのパスを指定するよう、Oracle Universal Installerから指示されます。次のパスを選択してください。

oracle_base/oraInventory

Oracle Universal Installerでは、指定したディレクトリが作成され、それに対する適切な所有者、グループおよび権限が設定されます。ディレクトリを作成する必要はありません。


注意:

すべてのOracleソフトウェア・インストールはこのディレクトリに依存します。ディレクトリを必ず定期的にバックアップしてください。

システムからすべてのOracleソフトウェアを完全に削除した場合を除き、このディレクトリは削除しないでください。


2.5.3 Oracleホーム・ディレクトリ

Oracleホーム・ディレクトリは、特定のOracle製品のソフトウェアをインストールするために選択するディレクトリです。異なるOracle製品、または同じOracle製品の異なるリリースは、個別のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Universal Installerを実行すると、このディレクトリへのパスや識別する名前の指定を求めるプロンプトが表示されます。指定するディレクトリは、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリである必要があります。Oracleホーム・ディレクトリには、次のようなパスを指定することをお薦めします。

oracle_base/product/11.1.0/client_1

Oracle Universal Installerは、指定したディレクトリ・パスをOracleベース・ディレクトリの下に作成します。また、適切な所有者、グループおよび権限も設定されます。このディレクトリを作成する必要はありません。


注意:

インストール時には、事前定義済の権限が適用された既存のディレクトリを、Oracleホーム・ディレクトリとして指定しないでください。指定した場合、ファイルおよびグループの所有権のエラーによりインストールが失敗する可能性があります。

2.6 Oracleベース・ディレクトリの識別または作成

インストールを開始する前に、既存のOracleベース・ディレクトリを識別するか、必要に応じて作成する必要があります。この項の内容は、次のとおりです。


注意:

システムに他のOracleベース・ディレクトリが存在する場合にも、Oracleベース・ディレクトリを作成するように選択できます。

2.6.1 既存のOracleベース・ディレクトリの識別

既存のOracleベース・ディレクトリは、OFAガイドラインに準拠するパスを持たない可能性があります。ただし、既存のOracleインベントリ・ディレクトリまたは既存のOracleホーム・ディレクトリを識別する場合、通常は次のようにOracleベース・ディレクトリを識別できます。

  • 既存のOracleインベントリ・ディレクトリの識別

    次のコマンドを入力してoraInst.locファイルの内容を表示します。

    # more /var/opt/oracle/oraInst.loc
    

    oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

    inventory_loc=/u01/app/oracle/oraInventory
    inst_group=oinstall
    

    inventory_locパラメータは、Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)を識別します。oraInventoryディレクトリの親ディレクトリは、通常、Oracleベース・ディレクトリです。前述の例では、/u01/app/oracleはOracleベース・ディレクトリです。

  • 既存のOracleホーム・ディレクトリの識別

    次のコマンドを入力してoratabファイルの内容を表示します。

    # more /var/opt/oracle/oratab
    

    oratabファイルが存在する場合、このファイルには、次のような行が含まれます。

    *:/u03/app/oracle/product/11.1.0/db_1:N
    *:/opt/orauser/infra_904:N
    *:/oracle/9.2.0:N
    

    各行に指定されたディレクトリ・パスは、Oracleホーム・ディレクトリを示します。使用するOracleソフトウェア所有者のユーザー名が末尾に付いているディレクトリ・パスは、Oracleベース・ディレクトリとして有効な選択です。前述の例で、oracleユーザーを使用してソフトウェアをインストールする場合、次のディレクトリのどちらかを選択できます。

    /u03/app/oracle
    /oracle
    

    注意:

    可能であれば、最初のパス(/u03/app/oracle)のようなディレクトリ・パスを選択します。このパスは、OFAガイドラインに準拠しています。

  • 既存のOracleベース・ディレクトリの識別

    Oracleホーム・ディレクトリを特定した後は、次のコマンドを発行してOracleベースの場所を確認します。

    cat inventory/ContentsXML/oraclehomeproperties.xml
    

続行する手順は、次のとおりです。

  • Oracleベース・ディレクトリが存在し、これを使用する場合は、「oracleユーザーの環境の構成」を参照してください。

    この後の項でoracleユーザーの環境を構成する際に、ORACLE_BASE環境変数を設定して選択したディレクトリを指定します。

  • Oracleベース・ディレクトリがシステム上に存在しないか、Oracleベース・ディレクトリを作成する場合、次の項を参照してください。

2.6.2 Oracleベース・ディレクトリの作成

Oracleベース・ディレクトリを作成する前に、ディスク領域がある適切なファイル・システムを識別する必要があります。

適切なファイル・システムを識別するには、次の手順を実行します。

  1. マウント済の各ファイル・システム上の空きディスク領域を判別するには、次のコマンドを使用します。

    # df -k
    
  2. 表示から、適切な空き領域を持つファイル・システムを識別します。

  3. 指定したファイル・システム用のマウント・ポイント・ディレクトリの名前を書き留めます。

Oracleベース・ディレクトリを作成し、適切な所有者、グループ、および権限を指定する手順は、次のとおりです。

  1. 次のようなコマンドを入力して、識別したマウント・ポイント・ディレクトリ内の推奨サブディレクトリを作成し、適切な所有者、グループおよびそれらの権限を設定します。

    # mkdir -p /mount_point/app/oracle_sw_owner
    # chown -R oracle:oinstall /mount_point/app/oracle_sw_owner
    # chmod -R 775 /mount_point/app/oracle_sw_owner
    

    たとえば、識別したマウント・ポイントが/u01で、oracleがOracleソフトウェア所有者のユーザー名の場合、推奨されるOracleベース・ディレクトリのパスは次のようになります。

    /u01/app/oracle
    
  2. この章の後の部分でoracleユーザーの環境を構成するときには、ORACLE_BASE環境変数を設定して、作成したOracleベース・ディレクトリを指定します。

2.7 oracleユーザーの環境の構成

Oracle Universal Installerはoracleアカウントから実行します。ただし、Oracle Universal Installerを起動する前に、oracleユーザーの環境を構成する必要があります。環境を構成するには、次のことが必要です。


注意:

PATH変数が/usr/X11R6/binの前に$ORACLE_HOME/binを含むようにしてください。

oracleユーザーの環境を設定する手順は、次のとおりです。

  1. たとえば、Xターミナル(xterm)など、新規ターミナル・セッションを開始します。

  2. 次のコマンドを入力し、Xウィンドウ・アプリケーションがこのシステム上に表示されることを確認します。

    $ xhost fully_qualified_remote_host_name
    

    次に例を示します。

    $ xhost somehost.us.example.com
    
  3. ソフトウェアをインストールするシステムにまだログインしていない場合は、そのシステムにoracleユーザーとしてログインします。

  4. oracleユーザーとしてログインしていない場合は、ユーザーをoracleに切り替えます。

    $ su - oracle
    
  5. 次のコマンドを入力して、oracleユーザーのデフォルト・シェルを確認します。

    $ echo $SHELL
    
  6. oracleユーザーのシェル起動ファイルを任意のテキスト・エディタで開きます。

    Cシェル(cshまたはtcsh)の場合:

    % vi .login
    
  7. 次の行を入力または編集し、デフォルトのファイル・モード作成マスクに値022を指定します。

    umask 022
    
  8. ORACLE_SIDORACLE_HOMEまたはORACLE_BASE環境変数がファイル内で設定されている場合は、適切な行をファイルから削除します。

  9. ファイルを保存し、エディタを終了します。

  10. シェル起動スクリプトを実行するには、次のいずれかのコマンドを入力します。

    • Bashシェルの場合:

      $ . ./.bash_profile
      
    • BourneまたはKornシェルの場合:

      $ . ./.profile
      
    • Cシェルの場合:

      % source ./.login
      
  11. ローカル・コンピュータにソフトウェアをインストールしない場合は、リモート・コンピュータで次のコマンドを実行して、DISPLAY変数を設定します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合:

      $ export DISPLAY=local_host:0.0
      
    • Cシェルの場合:

      % setenv DISPLAY local_host:0.0
      

    この例で、local_hostは、Oracle Universal Installerの表示に使用するローカル・コンピュータのホスト名またはIPアドレスです。

    リモート・コンピュータで次のコマンドを実行して、シェルおよびDISPLAY環境変数が正しく設定されているかどうかをチェックします。

    echo $SHELL
    echo $DISPLAY
    

    今度は、Xアプリケーションを有効にするため、ローカル・コンピュータで次のコマンドを実行します。

    $ xhost + fully_qualified_remote_host_name
    

    Xアプリケーションの表示が正しく設定されていることを確認するには、オペレーティング・システムに付属のX11ベースのプログラム(xclockなど)を実行します。

    $ xclock_path
    

    この例では、xclock_pathがディレクトリ・パスです。たとえば、xclock/usr/X11R6/bin/xclocksにあります。DISPLAY変数が正しく設定されていれば、xclockがコンピュータ画面に表示されます。


    関連項目:

    追加の情報は、PC-X Serverまたはオペレーティング・システム・ベンダーのドキュメントを参照してください。

  12. /tmpディレクトリの空きディスク領域が400MBに満たないことが確認された場合は、400MB以上の空き領域があるファイル・システムを識別し、このファイル・システムの一時ディレクトリを指定するようにTMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

    1. マウントされている各ファイル・システムの空きディスク領域を確認するには、次のコマンドを使用します。

      # df -k
      
    2. 必要に応じて、次のようなコマンドを入力し、識別したファイル・システム上に一時ディレクトリを作成し、そのディレクトリに適切な権限を設定します。

      $ sudo mkdir /mount_point/tmp
      $ sudo chmod a+wr /mount_point/tmp
      # exit
      
    3. 次のようなコマンドを入力し、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

      • Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:

        $ TMP=/mount_point/tmp
        $ TMPDIR=/mount_point/tmp
        $ export TMP TMPDIR
        
      • Cシェルの場合:

        % setenv TMP /mount_point/tmp
        % setenv TMPDIR /mount_point/tmp
        
  13. 次のようなコマンドを入力し、ORACLE_BASE環境変数を設定します。

    • Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:

      $ ORACLE_BASE=/u01/app/oracle
      $ export ORACLE_BASE
      
    • Cシェルの場合:

      % setenv ORACLE_BASE /u01/app/oracle
      

    これらの例で、/u01/app/oracleは先に作成または識別したOracleベース・ディレクトリです。

  14. 次のコマンドを入力して、ORACLE_HOMEおよびTNS_ADMIN環境変数が設定されていないことを確認します。

    • Bourne、Bash、またはKornシェルの場合:

      $ unset ORACLE_HOME
      $ unset TNS_ADMIN
      
    • Cシェルの場合:

      % unsetenv ORACLE_HOME
      % unsetenv TNS_ADMIN
      

    注意:

    ORACLE_HOME環境変数が設定されている場合、Oracle Universal Installerはその環境変数でOracleホーム・ディレクトリのデフォルト・パスとして指定されている値を使用します。ただし、ORACLE_BASE環境変数をユーザーが設定する場合は、ORACLE_HOME環境変数を設定せずに、Oracle Universal Installerから提示されるデフォルト・パスを選択することをお薦めします。

  15. 次のコマンドを入力して、環境変数が正しく設定されていることを確認します。

    $ umask
    $ env | more
    

    umaskコマンドによって値22022、または0022が表示され、この項で設定した環境変数が正しい値になっていることを確認します。