ヘッダーをスキップ

Oracle Database ユーティリティ
10g リリース2(10.2)

B19211-01
目次
目次
索引
索引

戻る 次へ

1 Oracle Data Pumpの概要

Oracle Data Pumpテクノロジを使用すると、データおよびメタデータをデータベース間で非常に高速に移動できます。Oracle Data Pumpは、Oracle Database 10g リリース1(10.1)以降でのみ使用できます。

この章の内容は、次のとおりです。

Data Pumpのコンポーネント

Oracle Data Pumpは、次の3つの要素で構成されています。

Data Pumpクライアントであるexpdpおよびimpdpは、それぞれData Pump ExportユーティリティおよびData Pump Importユーティリティを起動します。これらのユーティリティでは、オリジナルのエクスポート・ユーティリティ(exp)およびインポート・ユーティリティ(imp)とほぼ同じユーザー・インタフェースが提供されます。

expdpクライアントおよびimpdpクライアントでは、コマンドラインで入力されたパラメータを使用してエクスポートおよびインポートを実行するために、PL/SQLパッケージDBMS_DATAPUMPで提供されているプロシージャを使用します。これらのパラメータは、完全なデータベースまたはデータベースのサブセットに対するデータおよびメタデータをエクスポートおよびインポート可能にします。


注意:

ダンプ・ファイルの読取りおよび書込みを含むすべてのData Pump ExportおよびImportの処理は、指定したデータベース接続文字列によって選択されるシステム(サーバー)上で実行されます。つまり、ユーザーに権限がない場合は、データベース管理者(DBA)が、そのサーバーのファイル・システムで読取りおよび書込みが実行されるData Pumpファイル用のディレクトリ・オブジェクトを作成する必要があります。特権ユーザーは、デフォルトのディレクトリ・オブジェクトを使用できます。ディレクトリ・オブジェクトの詳細は、「ダンプ・ファイル、ログ・ファイルおよびSQLファイルのデフォルトの位置」を参照してください。 


データを移動する場合、Data Pumpでは、ダイレクト・パス・ロード(またはアンロード)または外部表メカニズム、あるいはその2つの組合せが自動的に使用されます。メタデータを移動する場合、Data Pumpでは、PL/SQLパッケージDBMS_METADATAで提供される機能が使用されます。DBMS_METADATAパッケージは、ディクショナリのメタデータの抽出、操作および再送信に関する集中的な機能を提供します。

DBMS_DATAPUMPおよびDBMS_METADATAの2つのPL/SQLパッケージは、Data Pumpクライアントとは別に使用できます。

参照:

DBMS_DATAPUMPおよびDBMS_METADATAパッケージの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージ・プロシージャおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。 

Data Pump ExportユーティリティおよびImportユーティリティの新機能

新しいData Pump Exportユーティリティ(expdpコマンドで起動)およびImportユーティリティ(impdpコマンドで起動)は、オリジナルのエクスポート・ユーティリティ(exp)およびインポート・ユーティリティ(imp)と同様のルック・アンド・フィールですが、これらは完全に別のユーティリティです。新しいData Pump Exportユーティリティで生成されるダンプ・ファイルと、オリジナルのエクスポート・ユーティリティで生成されたダンプ・ファイルには互換性がありません。そのため、オリジナルのエクスポート・ユーティリティ(exp)で生成されたファイルは、Data Pump Import(impdp)ユーティリティではインポートできません。

XMLスキーマおよびXMLスキーマ・ベースの表を除くすべてのOracle Database 10g 機能をサポートする、新しいData Pump ExportおよびImportユーティリティの使用をお薦めします。オリジナルのエクスポート・ユーティリティおよびインポート・ユーティリティは、Oracle9i リリース2(9.2)のすべての機能をサポートします。Data Pump ExportユーティリティおよびImportユーティリティは、オリジナルのエクスポート・ユーティリティおよびインポート・ユーティリティと比較すると、データ移動のパフォーマンスが大幅に向上するように設計されています。


注意:

オリジナルのエクスポートおよびインポート・ユーティリティを使用する必要がある場合については、第19章「オリジナルのエクスポートおよびインポート」を参照してください。 


次に、このパフォーマンスおよび操作性の向上を可能にする新機能について説明します。

この章の後半では、Data Pump ExportユーティリティおよびImportユーティリティで実装されるData Pumpテクノロジについて説明します。Data Pumpテクノロジを使用するには、特権ユーザーである必要があります。特権ユーザーは、EXP_FULL_DATABASEおよびIMP_FULL_DATABASEロールを所有しています。非特権ユーザーはいずれのロールも所有していません。

特権ユーザーは、次のことを実行できます。

Data Pumpによるデータ・アクセス方法

Data Pumpでは、表の行データのロードおよびアンロードを行うためのアクセス方法として、ダイレクト・パスと外部表の2つがサポートされます。いずれの方法でも同じ外部データ表現がサポートされるため、一方の方法でアンロードしたデータは、もう一方の方法を使用してロードできます。Data Pumpでは、各表に適した最速の方法が自動的に選択されます。


注意:

Data Pumpでは、無効な一意索引を持つ表は、ロードされません。データを表にロードする必要がある場合は、その索引を削除するかまたは再度有効にする必要があります。 


ダイレクト・パス・ロードおよびアンロード

リリース7.3以降のOracleデータベースには、エクスポート操作を対象としたダイレクト・パス・アンロード機能が提供され、Oracle8i 以降では、OCIを対象としたダイレクト・パス・ローダーのAPIが提供されています。ダイレクト・パス・テクノロジは、Data Pumpテクノロジによって次の点が向上されています。

表がダイレクト・パス・ロードおよびアンロードを実行できる構造である場合、Data Pumpでは、デフォルトでこれらの方法が使用されます。表にLONGデータ型の列が含まれる場合は、ダイレクト・パスを使用する必要があります。

次の項では、ロードおよびアンロードに、ダイレクト・パスを使用できない場合について説明します。

ダイレクト・パス・ロードが使用されない場合

表が次に示すいずれかの条件に該当する場合、Data Pumpでは、その表へのデータのロードにダイレクト・パスではなく外部表による方法が使用されます。

ダイレクト・パス・アンロードが使用されない場合

表が次に示すいずれかの条件に該当する場合、Data Pumpでは、その表のデータのアンロードにダイレクト・パスではなく外部表による方法が使用されます。

外部表

Oracle9i 以降は、データベースの外部データ・ソースの読取りが可能な外部表機能がOracleデータベースで提供されています。Oracle Database 10g では、データベースの外部接続先へのデータベース・データの書込みも外部表の機能でサポートされます。Data Pumpでは、ファイルの読取りと書込みを行う外部表アクセス・ドライバ(ORACLE_DATAPUMP)が提供されます。このファイルの形式は、ダイレクト・パスによる方法を使用した形式と同じです。このため、データベース表を高速にロードおよびアンロードできます。Data Pumpでは、次の場合、外部表がデータ・アクセス機能として使用されます。

データベース・リンクを介したデータへのアクセス

データベース・リンクを介してエクスポートを実行すると、ソース・データベース・インスタンスのデータは、接続されたデータベース・インスタンスのダンプ・ファイルに書き込まれます。また、ソース・データベースは、読取り専用データベースである場合があります。

データベース・リンクを介してインポートを実行する場合、インポート・ソースは、ダンプ・ファイル・セットではなくデータベースであり、データは、接続されたデータベース・インスタンスにインポートされます。

リンクとは、ネットワーク接続されたリモートのデータベースを示すため、データベース・リンクおよびネットワーク・リンクという用語は、同じ意味で使用されます。

参照:

  • データベース・リンクを介したエクスポートの実行の詳細は、「NETWORK_LINK」を参照してください。

  • データベース・リンクを介したインポートの実行の詳細は、「NETWORK_LINK」を参照してください。

 

Data Pumpジョブ実行中に行われる処理

Data Pumpジョブでは、マスター表、マスター・プロセス、ワーカー・プロセスを使用して、処理が実行され、進捗状況が追跡されます。

ジョブの調整

すべてのData Pump ExportジョブおよびData Pump Importジョブに対して、マスター・プロセスが作成されます。マスター・プロセスによって、ジョブ全体(クライアントとの通信、ワーカー・プロセス・プールの作成および制御、ロギング操作の実行など)が制御されます。

ジョブ内での進捗状況の追跡

データおよびメタデータの転送中、ジョブ内の進捗状況の追跡にマスター表が使用されます。マスター表は、ユーザー表としてデータベース内に実装されます。また、エクスポート・ジョブおよびインポート・ジョブ用のマスター表固有の機能は、次のとおりです。

マスター表は、エクスポートまたはインポート操作を実行している現在のユーザーのスキーマ内に作成されます。そのため、このユーザーには、マスター表を作成するための十分な表領域の割当て制限が必要です。マスター表の名前は、その表を作成したジョブと同じ名前になります。したがって、Data Pumpジョブに、既存の表またはビューと同じ名前を明示的には指定できません。

すべての操作で、ジョブの再起動にマスター表の情報が使用されます。

マスター表は、状況に応じて、次のとおり保持または削除されます。

ジョブ実行中のデータおよびメタデータのフィルタ処理

マスター表内では、名前や自分のスキーマなどの属性が特定のオブジェクトに割り当てられます。オブジェクトは、オブジェクトのクラス(TABLEINDEXDIRECTORYなど)にも属します。オブジェクトのクラスは、オブジェクトのオブジェクト型と呼ばれます。EXCLUDEおよびINCLUDEパラメータを使用して、エクスポートまたはインポートされるオブジェクト型を制限できます。オブジェクトの名前またはオブジェクトを自分のスキーマの名前に基づいて、制限するオブジェクトを指定できます。データ固有のフィルタを指定して、エクスポートおよびインポートする行を制限することもできます。

参照:

 

ジョブ実行中のメタデータの変換

データベース間でデータを移動する場合は、表領域間で記憶域を再マップしたり、特定のオブジェクトの所有者を再定義するために、メタデータの変換を実行すると有効です。これは、Data Pump ImportパラメータのREMAP_DATAFILEREMAP_SCHEMAREMAP_TABLESPACEおよびTRANSFORMを使用して実行されます。

参照:

 

ジョブ・パフォーマンスの最大化

PARALLELパラメータを使用して、現状の環境で最大限の効果を得る並列度を設定し、ジョブのスループットを向上させることができます。たとえば、本番システムへのジョブの影響を制限する場合、データベース管理者(DBA)は並列度を制限する必要があります。並列度は、ジョブの実行中いつでも再設定できます。たとえば、運用時間中は特定のジョブの並列度が2に制限されるようにPARALLELを2に設定し、非運用時間中は8に再設定することができます。並列度の設定は、マスター・プロセスによって施行され、マスター・プロセスによって、1回の操作でデータおよびメタデータの処理を実行するワーカー・プロセスに、実行対象の処理が割り当てられます。これらのワーカー・プロセスは、パラレルで動作します。通常、並列度は、インスタンス上のCPUの数の2倍より大きい値に設定してください。


注意:

並列度を調整する機能は、OracleデータベースのEnterprise Editionでのみ使用可能です。 


データのロードおよびアンロード

ワーカー・プロセスとは、メタデータおよび表データを実際にパラレルでロードおよびアンロードするプロセスです。ワーカー・プロセスは、コマンドライン・パラメータPARALLELに指定した値と同数になるまで必要に応じて作成されます。アクティブなワーカー・プロセスの数は、ジョブの存続期間中いつでも再設定できます。


注意:

Oracle Database 10g のStandard Editionでは、PARALLELの値は1に制限されています。 


非常に大きい表またはパーティションをロードまたはアンロードするタスクがワーカー・プロセスに割り当てられた場合、パラレル実行を最大限に利用できるように、外部表によるアクセス方法が使用されることがあります。その場合、ワーカー・プロセスはパラレル実行コーディネータになります。実際のロードおよびアンロード処理は、パラレルI/Oの実行プロセスのインスタンス全体のプールから割り当てられたパラレルI/Oの実行プロセス(スレーブとも呼ばれる)間で分割されます。

ジョブの状態の監視

Data Pump ExportおよびImportユーティリティでは、対話方式コマンド・モードまたはロギング・モードのいずれでも、ジョブに接続できます。ロギング・モードでは、ジョブの実行中に、そのジョブの詳細な状態がリアルタイムで自動的に表示されます。表示される情報には、ジョブおよびパラメータの説明、エクスポートされるデータ量の推定、現在の操作または処理中のアイテムの説明、ジョブで使用されるファイル、発生したエラーおよび最終的なジョブの状態(停止または完了)があります。

参照:

  • コマンドライン・エクスポートでの状態表示の頻度を変更する方法については、「STATUS」を参照してください。

  • コマンドライン・インポートでの状態表示の頻度を変更する方法については、「STATUS」を参照してください。

 

ジョブの状態は、対話方式コマンド・モードでのリクエストで表示できます。表示される情報には、ジョブの説明および状態、現在の操作または処理中のアイテムの説明、書込み中のファイルおよび累積的な状態があります。

参照:

  • 対話方式のエクスポートでのSTATUSコマンドの使用方法は、「STATUS」を参照してください。

  • 対話方式のインポートでのSTATUSコマンドの使用方法は、「STATUS」を参照してください。

 

オプションで、ジョブの実行中にログ・ファイルの書込みを行うこともできます。ログ・ファイルには、ジョブの進捗状況のサマリーが記録され、処理中に発生したエラーがリストされ、ジョブの完了状態が記録されます。

参照:

  • エクスポート用ログ・ファイルのファイル指定を設定する方法については、「LOGFILE」を参照してください。

  • インポート用ログ・ファイルのファイル指定を設定する方法については、「LOGFILE」を参照してください。

 

ジョブの状態を判断したり、Data Pumpジョブについての情報を表示するには、DBA_DATAPUMP_JOBSビュー、USER_DATAPUMP_JOBSビューまたはDBA_DATAPUMP_SESSIONSビューを問い合せる方法もあります。これらのビューの説明は、『Oracle Database SQLリファレンス』を参照してください。

ジョブの実行状況の監視

表データの転送を行うData Pump操作(エクスポートおよびインポート)では、ジョブの進捗状況(単位は、転送された表データのメガバイト数)を示す動的パフォーマンス・ビューV$SESSION_LONGOPSのエントリが保持されます。このエントリは、転送の推定サイズを含み、実際に転送されたデータの量が反映されるように定期的に更新されます。


注意:

エクスポート操作の推定値が有効かどうかは、操作開始時に要求された推定のタイプによって異なります。この値は、実際の転送量を超えた場合に必要に応じて更新されます。インポート操作の推定値は、厳密な値です。 


Data Pumpジョブに関連するV$SESSION_LONGOPS列は、次のとおりです。

ファイルの割当て

Data Pumpジョブで管理されるファイルには、次の3つのタイプがあります。

Data Pumpでのこれらのファイルの割当て方法および処理方法を理解すると、ExportユーティリティおよびImportユーティリティを最大限に利用できます。

ファイルの指定およびダンプ・ファイルの追加

エクスポート操作の場合、ダンプ・ファイルは、ジョブの定義時およびエクスポート操作の後の段階で指定できます。たとえば、エクスポート操作中に領域が不足した場合は、Data Pump ExportユーティリティのADD_FILEコマンドを対話方式モードで使用して、追加ダンプ・ファイルを追加できます。

インポート操作の場合、ジョブの定義時にすべてのダンプ・ファイルを指定する必要があります。

既存のファイルは、ログ・ファイルおよびSQLファイルによって上書きされます。ダンプ・ファイルによっては上書きされません。ただし、エラーが出力されます。

ダンプ・ファイル、ログ・ファイルおよびSQLファイルのデフォルトの位置

Data Pumpは、クライアント・ベースではなく、サーバー・ベースであるため、ダンプ・ファイル、ログ・ファイルおよびSQLファイルには、サーバー・ベースのディレクトリ・パスを基準としてアクセスします。Data Pumpでは、ディレクトリ・パスをディレクトリ・オブジェクトとして指定する必要があります。ディレクトリ・オブジェクトは、ファイル・システムのディレクトリ・パスに名前をマップします。

たとえば、次のSQL文は、/usr/apps/datafilesにあるディレクトリにマップされるdpump_dir1というディレクトリ・オブジェクトを作成します。

SQL> CREATE DIRECTORY dpump_dir1 AS '/usr/apps/datafiles';

ディレクトリ・オブジェクトは、データのセキュリティおよび整合性を確保するために必要です。次に例を示します。

UNIXおよびWindows NTシステムの場合、デフォルトのディレクトリ・オブジェクトDATA_PUMP_DIRは、データベースが作成されるとき、またはデータベース・ディレクトリがアップグレードされるたびに作成されます。デフォルトでは、特権ユーザーのみが使用できます。

権限のないユーザーの場合、Data PumpのExportユーティリティまたはImportユーティリティを実行できるようにするには、データベース管理者(DBA)またはCREATE ANY DIRECTORY権限を持つユーザーがディレクトリ・オブジェクトを作成する必要があります。

ディレクトリの作成後、ディレクトリ・オブジェクトを作成するユーザーは、そのディレクトリに対するREAD権限またはWRITE権限を他のユーザーに付与する必要があります。たとえば、dpump_dir1で指定されたディレクトリのユーザーhrのかわりに、Oracleデータベースがファイルを読取りまたは書込みできるようにするには、DBAが次のコマンドを実行する必要があります。

SQL> GRANT READ, WRITE ON DIRECTORY dpump_dir1 TO hr;

ディレクトリ・オブジェクトに対するREAD権限またはWRITE権限は、Oracleデータベースによってそのファイルの読取りまたは書込みのみが実行されることを意味します。適切なオペレーティング・システム権限がないかぎり、Oracleデータベースの外部にあるファイルには直接アクセスできません。同様に、Oracleデータベースには、ディレクトリのファイルに対して読取りおよび書込みを行うオペレーティング・システム権限が必要です。

Data Pump Exportユーティリティでは、次の順序でファイルの位置が判断されます。

  1. ディレクトリ・オブジェクトがファイル指定の一部として指定されている場合は、そのディレクトリ・オブジェクトで指定された位置が使用されます。(ディレクトリ・オブジェクトとファイル名は、コロンで区切る必要があります。)

  2. ファイルにディレクトリ・オブジェクトが指定されていない場合は、DIRECTORYパラメータで指定されたディレクトリ・オブジェクトが使用されます。

  3. ディレクトリ・オブジェクトが指定されていない場合、およびDIRECTORYパラメータでディレクトリ・オブジェクトが指定されていない場合は、環境変数DATA_PUMP_DIRの値が使用されます。この環境変数は、Data Pump ExportおよびImportユーティリティが実行されるクライアント・システムで、オペレーティング・システム・コマンドを使用して定義されます。このクライアント・ベースの環境変数には、DBAがサーバー・システムで最初に作成するサーバー・ベースのディレクトリ・オブジェクトの名前を割り当てる必要があります。たとえば、次のSQL文では、サーバー・システムにディレクトリ・オブジェクトが作成されます。このディレクトリ・オブジェクトの名前はDUMP_FILES1で、位置は '/usr/apps/dumpfiles1'です。

    SQL> CREATE DIRECTORY DUMP_FILES1 AS '/usr/apps/dumpfiles1';
    
    

    cshを使用しているUNIXベースのクライアント・システムのユーザーは、環境変数DATA_PUMP_DIRに、値DUMP_FILES1を割り当てることができます。コマンドラインでは、DIRECTORYパラメータは省略できます。ダンプ・ファイルemployees.dmpは、ログ・ファイルexport.logと同様、 '/usr/apps/dumpfiles1'に書き込まれます。

    %setenv DATA_PUMP_DIR DUMP_FILES1
    %expdp hr/hr TABLES=employees DUMPFILE=employees.dmp
    
    
  4. 前述の3つの条件では、ディレクトリ・オブジェクトの位置を判断できない場合、特権ユーザーであれば、Data Pumpはデフォルトのサーバー・ベースのディレクトリ・オブジェクトDATA_PUMP_DIRの値を試行します。このディレクトリ・オブジェクトは、データベースが作成されるとき、またはデータベース・ディレクトリがアップグレードされるたびに自動的に作成されます。DATA_PUMP_DIRのパス定義は、次のSQL問合せを使用して確認できます。

    SQL> SELECT directory_name, directory_path FROM dba_directories
    2 WHERE directory_name='DATA_PUMP_DIR';
    
    

    特権ユーザーでない場合は、DATA_PUMP_DIRディレクトリ・オブジェクトへのアクセス権限が、DBAによって事前に付与されている必要があります。

    デフォルトのDATA_PUMP_DIRディレクトリ・オブジェクトと、同じ名前のクライアント・ベースの環境変数とを混同しないでください。

自動ストレージ管理を使用可能にした場合のディレクトリ・オブジェクトの使用方法

自動ストレージ管理(ASM)を使用可能にしてData Pump ExportユーティリティまたはImportユーティリティを使用する場合は、オペレーティング・システムのディレクトリ・パスではなくASMディスク・グループ名が使用されるように、ダンプ・ファイルで使用されるディレクトリ・オブジェクトを定義する必要があります。オペレーティング・システムのディレクトリ・パスを示す、別のディレクトリ・オブジェクトがログ・ファイルに使用される必要があります。たとえば、ASMダンプ・ファイルのディレクトリ・オブジェクトは、次のように作成します。

SQL> CREATE or REPLACE DIRECTORY dpump_dir as '+DATAFILES/';

ログ・ファイル用の個別のディレクトリ・オブジェクトは、次のように作成します。

SQL> CREATE or REPLACE DIRECTORY dpump_log as '/homedir/user1/';

ユーザーhrに、これらのディレクトリ・オブジェクトに対するアクセス権を付与する場合は、次に示すように、必要な権限を割り当てます。

SQL> GRANT READ, WRITE ON DIRECTORY dpump_dir TO hr;
SQL> GRANT READ, WRITE ON DIRECTORY dpump_log TO hr;

この後に、次のData Pump Exportユーティリティのコマンドを使用します。

> expdp hr/hr DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=hr.dmp LOGFILE=dpump_log:hr.log

参照:

  • Data Pump Exportユーティリティでのこのパラメータの使用方法の詳細は、「DIRECTORY」を参照してください。

  • Data Pump Importユーティリティでのこのパラメータの使用方法の詳細は、「DIRECTORY」を参照してください。

  • CREATE DIRECTORYコマンドの詳細は、『Oracle Database SQLリファレンス』を参照してください。

  • 自動ストレージ管理(ASM)の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

 

並列度の設定

エクスポートおよびインポート操作では、並列度を、ダンプ・ファイル・セット内のダンプ・ファイル数以下に設定(PARALLELパラメータで指定)する必要があります。ダンプ・ファイル数が不足すると、複数の実行スレッドが同じダンプ・ファイルへアクセスしようとするため、最適なパフォーマンスは得られません。

PARALLELパラメータは、Oracle Database 10g のEnterprise Editionでのみ有効です。

置換変数の使用方法

エクスポート操作で、特定のファイル名を指定するかわりに、または指定したうえで、ファイル名に置換変数(%U)を使用してDUMPFILEパラメータで複数のダンプ・ファイルを指定できます。これは、ダンプ・ファイル・テンプレートと呼ばれます。新しいダンプ・ファイルは、01%Uに対応)から0203の順で、必要に応じて作成されます。PARALLELパラメータの現行の設定で指定されたすべてのプロセスをアクティブにできるように、十分な数のダンプ・ファイルが作成されます。FILESIZEパラメータで指定した最大サイズに達したためにダンプ・ファイルが一杯になると、ダンプ・ファイルはクローズされ、新しく生成された名前を持つ新しいダンプ・ファイルが、それにかわるファイルとして作成されます。

複数のダンプ・ファイル・テンプレートが提供されている場合、これらのテンプレートは、ラウンドロビン法によるダンプ・ファイルの生成に使用されます。たとえば、並列度6のジョブに、expa%Uexpb%Uおよびexpc%Uがすべて指定された場合、expa01.dmpexpb01.dmpexpc01.dmpexpa02.dmpexpb02.dmpおよび expc02.dmpが初期ダンプ・ファイルとして作成されます。

インポートおよびSQLFILE操作では、ダンプ・ファイル指定expa%Uexpb%Uおよびexpc%Uを指定した場合、ダンプ・ファイルexpa01.dmpexpb01.dmpおよびexpc01.dmpをオープンすると操作が開始されます。マスター表が含まれているダンプ・ファイルがこのセット内で検出されなかった場合は、置換変数の増加および新しいファイル名(expa02.dmpexpb02.dmpexpc02.dmpなど)の検索を行うことによって、ダンプ・ファイルの検索が拡張されます。この検索は、マスター表が含まれるダンプ・ファイルが検出されるまで継続されます。ダンプ・ファイルが存在しない場合は、エラーとなったダンプ・ファイル指定の置換変数の増加が中止されます。たとえば、expb01.dmpおよびexpb02.dmpは検出され、expb03.dmpは検出されなかった場合、expb%U指定を使用したファイルの検索は中止されます。マスター表が検出されると、その表を使用して、ダンプ・ファイル・セット内のすべてのダンプ・ファイルの位置が特定されているかどうかを確認できます。

データベース・バージョンが異なる場合のデータ移動

ほとんどのData Pump操作はサーバー側で実行されるため、COMPATIBLE以外のバージョンのデータベースを使用する場合は、そのバージョン情報をサーバーに提供する必要があります。指定しない場合は、エラーが発生することがあります。バージョン情報を指定するには、VERSIONパラメータを使用します。

参照:

  • Data Pump ExportのVERSIONパラメータの詳細は、「VERSION」を参照してください。

  • Data Pump ImportのVERSIONパラメータの詳細は、「VERSION」を参照してください。

 

Data PumpのExportおよびImportを使用して、バージョンが異なるデータベース間でデータを移動する場合は、次の点に注意してください。

オリジナルのエクスポートおよびインポートとData Pump ExportおよびImport

オリジナルのエクスポート・ユーティリティ(exp)およびインポート・ユーティリティ(imp)を使用した経験がある場合、これらのユーティリティの多くの概念が、Data PumpのExportユーティリティ(expdp)およびImportユーティリティ(impdp)には適用されないことを理解しておく必要があります。特に、次のことに注意してください。


戻る 次へ
Oracle
Copyright © 2005 Oracle Corporation.

All Rights Reserved.
目次
目次
索引
索引