ヘッダーをスキップ

Oracle Database SQLリファレンス
10g リリース2(10.2)

B19201-02
目次
目次
索引
索引

戻る 次へ

3 疑似列

疑似列は表の列のように使用できますが、実際に表に格納されているわけではありません。疑似列から値を選択できますが、疑似列に対して値の挿入、更新、削除はできません。疑似列は、引数を指定しないファンクションとも似ています(詳細は第5章「ファンクション」を参照してください)。ただし、引数を指定しないファンクションは、通常、結果セット内の各行に対して同じ値を戻しますが、疑似列では各行に対して異なる値を戻します。

この章では、次の内容を説明します。

階層問合せ疑似列

階層問合せ疑似列は、階層問合せでのみ有効です。階層問合せ疑似列には、次のものがあります。

CONNECT_BY_ISCYCLE疑似列

CONNECT_BY_ISCYCLE疑似列は、現在の行に自身の祖先でもある子がある場合に1を戻します。それ以外の場合は、0(ゼロ)を戻します。

CONNECT BY句のNOCYCLEパラメータを指定した場合のみ、CONNECT_BY_ISCYCLEを指定できます。NOCYCLEによって、Oracleは問合せの結果を戻すことができます。このパラメータを指定しないと、データ内のCONNECT BYループのため、問合せは失敗します。

参照:

NOCYCLEパラメータの詳細は、「階層問合せ」を参照してください。CONNECT_BY_ISCYCLE疑似列を使用する例については、「階層問合せの例」を参照してください。 

CONNECT_BY_ISLEAF疑似列

CONNECT_BY_ISLEAF疑似列は、現在の行がCONNECT BY条件によって定義されるツリーのリーフである場合に1を戻します。それ以外の場合は、0(ゼロ)を戻します。この情報は、特定の行をさらに展開して階層の詳細を表示できるかどうかを示します。

CONNECT_BY_ISLEAFの例

次の例は、hr.employees表の最初の3レベルです。各行がリーフ行か(IsLeaf列が1)、子である行を持つか(IsLeaf列が0)を示しています。

SELECT last_name "Employee", CONNECT_BY_ISLEAF "IsLeaf",
   LEVEL, SYS_CONNECT_BY_PATH(last_name, '/') "Path"
   FROM employees
   WHERE LEVEL <= 3 AND department_id = 80
   START WITH employee_id = 100
   CONNECT BY PRIOR employee_id = manager_id AND LEVEL <= 4;

Employee            IsLeaf      LEVEL Path
--------------- ---------- ---------- -----------------------------------
Russell                  0          2 /King/Russell
Tucker                   1          3 /King/Russell/Tucker
Bernstein                1          3 /King/Russell/Bernstein
Hall                     1          3 /King/Russell/Hall
Olsen                    1          3 /King/Russell/Olsen
Cambrault                1          3 /King/Russell/Cambrault
Tuvault                  1          3 /King/Russell/Tuvault
Partners                 0          2 /King/Partners
King                     1          3 /King/Partners/King
Sully                    1          3 /King/Partners/Sully
McEwen                   1          3 /King/Partners/McEwen
Smith                    1          3 /King/Partners/Smith
Doran                    1          3 /King/Partners/Doran
Sewall                   1          3 /King/Partners/Sewall
Errazuriz                0          2 /King/Errazuriz
Vishney                  1          3 /King/Errazuriz/Vishney
...

34 rows selected.

参照:

「階層問合せ」および「SYS_CONNECT_BY_PATH」を参照してください。 

LEVEL疑似列

階層問合せによって戻される各行について、LEVEL疑似列は、ルート行に1を戻し、ルートの子には2を戻します(以降同様に続きます)。ルート行は逆ツリー構造の最上位行です。子である行は任意の非ルート行です。親である行は子を持つ任意の行です。リーフ行は子を持たない任意の行です。図3-1に、逆ツリーのノードとそれらのLEVEL値を示します。

図3-1    階層ツリー


画像の説明

問合せの中で階層型の関連を定義するには、START WITH句およびCONNECT BY句を使用する必要があります。

参照:

階層問合せの概要については、「階層問合せ」を参照してください。LEVEL疑似列の使用に関する制限事項については、「IN条件」を参照してください。 

順序疑似列

順序は、一意の連続値を生成できるスキーマ・オブジェクトです。これらの値は、主キーや一意のキーによく使用されます。次の疑似列を使用したSQL文で、順序値を参照できます。

CURRVALNEXTVALは、順序の名前で修飾する必要があります。

sequence.CURRVAL
sequence.NEXTVAL

別のユーザーのスキーマ内での順序の現在の値または次の値を参照するには、その順序に対するSELECTオブジェクト権限またはSELECT ANY SEQUENCEシステム権限のどちらかが必要です。さらに、その順序は、次に示すとおり、順序を含むスキーマで修飾する必要があります。

schema.sequence.CURRVAL
schema.sequence.NEXTVAL

リモート・データベース上の順序の値を参照するには、次のように、データベース・リンクの完全な名前または部分的な名前で順序を修飾する必要があります。

schema.sequence.CURRVAL@dblink
schema.sequence.NEXTVAL@dblink

参照:

データベース・リンクの参照方法の詳細は、「リモート・データベース内のオブジェクトの参照」を参照してください。 

順序値の使用場所

次の場所でCURRVALNEXTVALを使用できます。

順序値の制限事項:

次の構造体では、CURRVALおよびNEXTVALは使用できません。

CURRVALまたはNEXTVALを使用する単一のSQL文では、参照されたLONG列、更新された表、ロックされた表がすべて同じデータベース上にある必要があります。

順序値の使用方法

順序を作成するときに、初期値と増分値を定義できます。NEXTVALの最初の参照によって、順序の初期値が戻されます。その後の参照によって、定義されたNEXTVAL増分値で順序が増加され、その新しい値が戻されます。CURRVALを参照すると、NEXTVALへの最後の参照で戻された値である、順序の現在の値が常に戻されます。

セッションの順序に対してCURRVALを使用する前に、まずNEXTVALで順序を初期化してください。順序の詳細は、「CREATE SEQUENCE」を参照してください。

NEXTVALへの参照が含まれる単一のSQL文の中では、Oracleは、次の各行につき1回順序を増加させます。

これらの場所のいずれかが、NEXTVALを複数回参照している場合、Oracleは1回のみ順序を増加させ、NEXTVALが検出されるたびにすべて同じ値を戻します。

これらの場所のいずれかが、CURRVALNEXTVALの両方を参照している場合、OracleはCURRVALNEXTVALの両方について順序を増加させ同じ値を戻します。

順序には、待機またはロックすることなく多数のユーザーが同時にアクセスできます。

順序の次の値の検索例

次の例では、サンプル・スキーマhrの従業員順序の次の値を検索します。

SELECT employees_seq.nextval 
    FROM DUAL;
表への順序値の挿入例

次の例では、従業員順序を増加させ、サンプル表hr.employeesに挿入される新しい従業員のためにその値を使用します。

INSERT INTO employees
   VALUES (employees_seq.nextval, 'John', 'Doe', 'jdoe', 
   '555-1212', TO_DATE(SYSDATE), 'PU_CLERK', 2500, null, null,
   30);
順序の現在の値の再利用例

次の例では、次の注文番号を使用して新しい注文をマスター注文表に追加します。その後、この番号を使用して関連する注文をディテール注文表に追加します。

INSERT INTO orders (order_id, order_date, customer_id)
   VALUES (orders_seq.nextval, TO_DATE(SYSDATE), 106);

INSERT INTO order_items (order_id, line_item_id, product_id)
   VALUES (orders_seq.currval, 1, 2359);

INSERT INTO order_items (order_id, line_item_id, product_id)
   VALUES (orders_seq.currval, 2, 3290);

INSERT INTO order_items (order_id, line_item_id, product_id)
   VALUES (orders_seq.currval, 3, 2381);

バージョン問合せ疑似列

バージョン問合せ疑似列は、Oracleフラッシュバック問合せの一形態であるOracle Flashback Version Queryでのみ有効です。バージョン問合せ疑似列には、次のものがあります。

COLUMN_VALUE疑似列

COLUMNS句を指定せずにXMLTable構造体を参照する場合、またはTABLEファンクションを使用して表の型をネストしたスカラーを参照する場合、データベースは単一列を持つ仮想表を戻します。この疑似列の名前は、COLUMN_VALUEです。

XMLTableのコンテキストでは、戻り値のデータ型はXMLTypeです。たとえば、次の2つの文は同等で、どちらの出力も戻される列の名前としてCOLUMN_VALUEを示します。

SELECT * FROM XMLTABLE('<a>123</a>');

COLUMN_VALUE
---------------------------------------
<a>123</a>

SELECT COLUMN_VALUE FROM (XMLTable('<a>123</a>'));

COLUMN_VALUE
----------------------------------------
<a>123</a>

TABLEファンクションのコンテキストでは、戻り値はコレクション要素のデータ型になります。次の文では、2つのレベルにネストした表を作成します。このコンテキストでのCOLUMN_VALUEの使用方法は、「マルチレベル・コレクションの例:」を参照してください。

CREATE TYPE phone AS TABLE OF NUMBER;   
/
CREATE TYPE phone_list AS TABLE OF phone;
/

次の文ではCOLUMN_VALUEを使用してphone型から選択します。

SELECT t.COLUMN_VALUE from table(phone(1,2,3)) t;

COLUMN_VALUE
------------
          1
          2
          3

ネストした型では、SELECT構文のリストとTABLEファンクションの両方でCOLUMN_VALUE疑似列を使用できます。

SELECT t.COLUMN_VALUE FROM 
   TABLE(phone_list(phone(1,2,3))) p, TABLE(p.COLUMN_VALUE) t;
COLUMN_VALUE
------------
           1
           2
           3

次の例に示すように、キーワードCOLUMN_VALUEは、列または属性名を持たない内部のネストした表のスカラー値に対してOracleデータベースが生成する名前です。このコンテキストでは、COLUMN_VALUEは疑似列ではなく、実際の列の名前です。

CREATE TABLE my_customers (
   cust_id       NUMBER,
   name          VARCHAR2(25),
   phone_numbers phone_list,
   credit_limit  NUMBER)
   NESTED TABLE phone_numbers STORE AS outer_ntab
   (NESTED TABLE COLUMN_VALUE STORE AS inner_ntab);

参照:

 

OBJECT_ID疑似列

OBJECT_ID疑似列は、オブジェクト表またはビューの列のオブジェクト識別子を戻します。Oracleはこの疑似列をオブジェクト表の主キーとして使用します。OBJECT_IDは、ビューのINSTEAD OFトリガーや、オブジェクト表の置換可能行のIDの識別に便利です。


注意:

以前のリリースでは、この疑似列はSYS_NC_OID$と呼ばれていました。下位互換性を保つため、この名称は引き続きサポートされます。ただし、より直感的な名前であるOBJECT_IDを使用することをお薦めします。 


参照:

この疑似列の使用例については、『Oracle Databaseアプリケーション開発者ガイド-オブジェクト・リレーショナル機能』を参照してください。 

OBJECT_VALUE疑似列

OBJECT_VALUE疑似列は、オブジェクト表、XMLType表、オブジェクト・ビューまたはXMLTypeビューの列のシステム生成名を戻します。この疑似列は、オブジェクト表の置換可能行の値の識別や、WITH OBJECT IDENTIFIER句を使用したオブジェクト・ビューの作成に便利です。


注意:

以前のリリースでは、この疑似列はSYS_NC_ROWINFO$と呼ばれていました。下位互換性を保つため、この名称は引き続きサポートされます。ただし、より直感的な名前であるOBJECT_VALUEを使用することをお薦めします。 


参照:

  • この疑似列の使用方法の詳細は、「object_table」および「object_view_clause」を参照してください。

  • この疑似列の使用例については、『Oracle Databaseアプリケーション開発者ガイド-オブジェクト・リレーショナル機能』を参照してください。

 

ORA_ROWSCN疑似列

ORA_ROWSCNは、各行について、その行に対する最新の変更のシステム変更番号(SCN)の上限(近似値)を戻します。この疑似列は、行が最後に更新されたおよその時期を判別するのに便利です。Oracleは行が存在するブロックをコミットしたトランザクションによってSCNを追跡するため、この値は正確でない場合があります。行レベル依存の追跡を行う表を作成すると、SCNのより正確な概数を取得できます。行レベル依存の追跡の詳細は、「NOROWDEPENDENCIES | ROWDEPENDENCIES」を参照してください。

この疑似列は、ビューへの問合せでは使用できません。ただし、この疑似列を使用して、ビューの作成時に基礎となる表を参照することは可能です。また、UPDATE文またはDELETE文のWHERE句でこの疑似列を使用することもできます。

ORA_ROWSCNは、フラッシュバック問合せではサポートされません。かわりに、フラッシュバック問合せ専用に提供されているバージョン問合せ疑似列を使用してください。フラッシュバック問合せの詳細は、「flashback_query_clause」を参照してください。バージョン問合せ疑似列の詳細は、「バージョン問合せ疑似列」を参照してください。

制限事項: この疑似列は、外部表ではサポートされません。

次の最初の文では、ORA_ROWSCN疑似列を使用して、employees表に対する最後の操作のシステム変更番号を取得します。2番目の文では、この疑似列をSCN_TO_TIMESTAMPファンクションとともに使用して、操作のタイムスタンプを判別します。

SELECT ORA_ROWSCN, last_name FROM employees WHERE employee_id = 188;

SELECT SCN_TO_TIMESTAMP(ORA_ROWSCN), last_name FROM employees
   WHERE employee_id = 188;

参照:

「SCN_TO_TIMESTAMP」 

ROWID疑似列

ROWID疑似列は、データベース内の各行について、行のアドレスを戻します。OracleデータベースのROWID値には、行を検索するために必要な次の情報が含まれています。

ほとんどの場合、ROWID値ではデータベース内の行は一意に識別されます。ただし、同じクラスタに格納されている異なる表の行は、同じROWIDを持つことができます。

ROWID疑似列の値はROWIDまたはUROWIDデータ型を持ちます。詳細は、「ROWIDデータ型」および「UROWIDデータ型」を参照してください。

ROWID値には、次の重要な用途があります。

表の主キーとしてROWIDを使用しないでください。たとえば、インポート・ユーティリティとエクスポート・ユーティリティで行を削除してから再挿入する場合、ROWIDが変わる場合があります。行を削除した場合、Oracleは、後から新しく挿入される行にそのROWIDを再度割り当てる可能性があります。

問合せのSELECT句とWHERE句でROWID疑似列を使用できますが、これらの疑似列の値が実際にデータベースに格納されるわけではありません。ROWID疑似列の値に対して挿入、更新および削除はできません。

次の文は、部門20の従業員のデータを含むすべての行のアドレスを選択します。

SELECT ROWID, last_name  
   FROM employees
   WHERE department_id = 20;

ROWNUM疑似列

ROWNUM疑似列は、問合せによって戻される各行について、表や結合処理された行の集合からOracleが行を選択する順序を示す番号を戻します。つまり、選択される最初の行のROWNUMは1、2番目の行のROWNUMは2です(以降同様に続きます)。

次の例のように、ROWNUMを使用して問合せによって戻される行数を制限できます。

SELECT * FROM employees WHERE ROWNUM < 10;

同じ問合せでROWNUMORDER BY句が続く場合、ORDER BY句によって行が再び順序付けられます。結果は、行がアクセスされる方法によって異なります。たとえば、ORDER BY句の指定によってOracleが索引を使用してデータにアクセスする場合、索引なしの場合とは異なる順序で行が取り出されることがあります。そのため、次の文には前述の例と同じ効果はありません。

SELECT * FROM employees WHERE ROWNUM < 11 ORDER BY last_name;

ORDER BY句を副問合せに埋め込んでROWNUM条件をトップレベル問合せに置いた場合、行の順序付けの後でROWNUM条件を強制的に適用させることができます。たとえば、次の問合せは、小さい順に10個の従業員番号を持つ従業員を戻します。これは、上位N番のレポートと呼ばれることがあります。

SELECT * FROM
   (SELECT * FROM employees ORDER BY employee_id)
   WHERE ROWNUM < 11;

前述の例では、ROWNUM値はトップレベルのSELECT文の値です。これらの値は、副問合せ内のemployee_idによって行が順序付けられた後で生成されます。

比較条件「ROWNUM値>正の整数」は、常に偽となるため注意してください。たとえば、次の問合せでは行は戻されません。

SELECT * FROM employees
    WHERE ROWNUM > 1;

最初にフェッチされる行のROWNUMには1が割り当てられるため、条件は偽と判断されます。2番目にフェッチされる予定だった行は最初の行になるため、このROWNUMにも1が割り当てられ、条件も偽と判断されます。このように、後続するすべての行が条件を満たさないため、行は戻されません。

また、次の例のように、ROWNUMを使用して表の各行に一意の値を割り当てることもできます。

UPDATE my_table
    SET column1 = ROWNUM;

行に一意の番号を割り当てる別の方法については、「ROW_NUMBER」を参照してください。


注意

問合せでROWNUMを使用した場合、ビューの最適化に影響することがあります。詳細は、『Oracle Database概要』を参照してください。 


XMLDATA疑似列

Oracleは、XMLSchema情報およびSTORAGE句の指定方法に基づいて、XMLTypeデータをLOBまたはオブジェクト・リレーショナル列に格納します。XMLDATA疑似列を使用すると、基礎となるLOBまたはオブジェクト・リレーショナル列にアクセスし、追加のSTORAGE句のパラメータ、制約、索引などを指定できます。

次の文は、この疑似列の使用方法を示しています。XMLTypeの簡単な表を作成するとします。

CREATE TABLE xml_lob_tab of XMLTYPE;

デフォルト記憶域は、CLOB列にあります。基礎となるLOB列の記憶特性を変更する場合は、次の文を使用できます。

ALTER TABLE xml_lob_tab MODIFY LOB (XMLDATA)
   (STORAGE (BUFFER_POOL DEFAULT) CACHE);

「SQL文でのXMLの使用方法」で作成したxwarehouses表のようなXML Schemaベースの表を作成したとします。その後、次の文に示すように、XMLDATA列を使用して、基礎となる列のプロパティを設定できます。

ALTER TABLE xwarehouses ADD (UNIQUE(XMLDATA."WarehouseId"));


戻る 次へ
Oracle
Copyright © 2006 Oracle Corporation.

All Rights Reserved.
目次
目次
索引
索引