SNMP エージェント管理ガイド

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複数の SNMP エージェントの使用

以下の節では、Oracle SNMP エージェント インテグレータのコンポーネントを、他の SNMP エージェントとともに使用する方法について説明します。

 


複数の SNMP エージェントで使用する Oracle SNMP エージェント インテグレータのコンフィグレーション

SNMP エージェントとして開始 (つまり -s オプションを指定して開始) し、Oracle SNMP エージェント インテグレータの管理下で実行する Oracle SNMP エージェントのことを「非 SMUX ピア エージェント」と呼びます。非 SMUX ピア エージェントは、Oracle SNMP エージェント インテグレータよりも前に開始する必要があります。

管理対象ノードで実行する各非 SMUX ピア エージェントの Oracle SNMP エージェント beamgr.conf コンフィグレーション ファイルには、1 つまたは複数の NON_SMUX_PEER エントリが含まれていなければなりません。NON_SMUX_PEER エントリの構文については、「コンフィグレーション ファイル」を参照してください。

注意 : 「非 SMUX ピア エージェント」と「ピア SNMP エージェント」はまったく同じ意味です。非 SMUX ピア エージェント (ピア SNMP エージェント) は、Oracle SNMP エージェント インテグレータの管理下で動作する SNMP エージェントです。

NON_SMUX_PEER エントリには、Oracle SNMP エージェント インテグレータが非 SMUX ピア エージェントとの通信に使用するポートのリストを記述します。エージェントを開始する際には、beamgr.conf ファイルの NON_SMUX_PEER エントリで割り当てられているポートをリスンするようにエージェントをコンフィグレーションしておく必要があります。

 


インテグレータによる管理対象オブジェクトへのアクセス

非 SMUX ピア エージェントの各 NON_SMUX_PEER エントリには、そのエージェントが担当する OID ツリーのブランチのリストを記述します。OID ツリーの特定のブランチをエージェント A が担当するように記述した場合、そのブランチ内のオブジェクトに対する管理要求は、Oracle SNMP エージェント インテグレータからエージェント A に渡されます。

次に例を示します。

NON_SMUX_PEER 2001 snmp .1.3.6.1.2.1.1,ro
NON_SMUX_PEER 2002 squid .1.3.6.1.4.1.141 .1.3.6.1.4.1.145
NON_SMUX_PEER 161 * .1.3.6.1.4.1.140 .1.3.6.1.4.1.145

1 つ目のエントリでは、Oracle SNMP エージェント インテグレータが SNMP エージェントをポート 2001 で探すように指定されています。この SNMP エージェントに対する Oracle SNMP エージェント インテグレータからのすべての要求では、コミュニティとして snmp が使用されます。このエージェントは、サブツリー .1.3.6.1.2.1.1 をサポートし、読み取り専用コマンドに使用できます。

2 つ目のエントリでは、Oracle SNMP エージェント インテグレータが SNMP エージェントを UDP ポート 2002 で探すように指定されています。この SNMP エージェントに対する Oracle SNMP エージェント インテグレータからのすべての要求では、コミュニティとして squid が使用されます。このエージェントは、サブツリー .1.3.6.1.4.1.141 および .1.3.6.1.4.1.145 をサポートします。アクセス オプションは指定されていないので、どちらのサブツリーもデフォルトの「読み取り/書き込み」に設定されます。

3 つ目のエントリには、UDP ポート 161 のエージェントが記述されています。アスタリスクは、Oracle SNMP エージェント インテグレータが管理ステーションから提供されるコミュニティ文字列を使用することを示します。このエージェントは、2 つのサブツリー .1.3.6.1.4.1.140 および .1.3.6.1.4.1.145 をサポートします。サブツリーのエントリにはアクセス情報が記述されていないので、デフォルトの「読み取り/書き込み」に設定されます。

注意 : SMUX プロトコルでは、SMUX サブエージェントがマスタ エージェントでサポートする OID ツリーのセクションが自動的に登録されます。したがって、SMUX サブエージェントからアクセス可能な OID ツリーのセクションを指定するために、特定のコンフィグレーション ファイル エントリを追加する必要はありません。ただし、このデフォルト動作は、コンフィグレーション ファイルの OID_CLASS エントリを使用してオーバーライドできます。OID_CLASS エントリの詳細については、「コンフィグレーション ファイル」を参照してください。

競合するエージェントへの優先順位の割り当て

2 つのエージェント A と B が、担当する OID ツリーの一部分で競合している場合は、それらの担当を定義する NON_SMUX_PEER エントリで 2 つのエージェントに明確な優先順位を割り当てる必要があります。これにより、Oracle SNMP エージェント インテグレータは、担当が重複する領域内のオブジェクトに対する要求を、優先順位番号が最も小さいエージェントに転送します。番号が小さいほど、優先順位は高くなります。次に例を示します。

NON_SMUX_PEER 2008 * .1.3.6.1.2.1.4,rw,8
NON_SMUX_PEER 2009 * .1.3.6.1.2.1.4,ro,5

この例では、UDP ポート 2008 と UDP ポート 2009 のエージェントが、どちらも MIB-II ip グループをサポートしています。つまり、両方のエージェントが、ipAddrTable (オブジェクト .1.3.6.1.2.1.4.20) をサポートしていることになります。ポート 2009 のエージェントのほうが優先順位が高い (5 は 8 よりも優先順位が高い) ため、Oracle SNMP エージェント インテグレータは ipAddrTable に対する管理要求を処理するためにポート 2009 のエージェントを呼び出します。ここで、このエントリに読み取り専用アクセスが指定されている点に注意してください。もう 1 つのエントリには読み取り/書き込みアクセスが指定されていますが、優先順位が低いため、ipAddrTable に対する要求においてこのエントリは完全に無視されます。

コンフィグレーション ファイルの NON_SMUX_PEER エントリの構文については、「コンフィグレーション ファイル」で例に基づいて詳しく説明します。

 


複数のノード上の SNMP エージェント

Oracle SNMP エージェント インテグレータは、管理ステーションのプロキシ エージェントとして使用できます。プロキシ エージェントの役割としては、複数のマシン上の SNMP エージェントのポーリング、ユーザ定義の条件に応じたエンタープライズ固有のトラップの送信、などがあります。単一の分散システムのリソースが多数のマシンに分かれている場合は、Oracle SNMP エージェント インテグレータをプロキシ エージェントとして使用すると有効です。

Oracle SNMP エージェント インテグレータからは、これら複数のエージェントで管理されるリソースが単一のマシン上にあるかのように認識されます。Oracle SNMP エージェント インテグレータのポーリング機能については、「Oracle SNMP エージェント インテグレータを使用したポーリング」を参照してください。複数のマシン上のエージェントのポーリングでは、Oracle SNMP エージェントの beamgr.conf コンフィグレーション ファイルで、それらの SNMP エージェントの NON_SMUX_PEER エントリが定義されていることが前提となります。次に示す例では、単一のサブネット内の SNMP エージェントとの通信において、Oracle SNMP エージェント インテグレータがプロキシ エージェントとして使用されています。

NON_SMUX_PEER 206.189.39.86.161 seahorse .1.3.6.1.2.1.4,rw,8
NON_SMUX_PEER 206.189.39.204.161 * \
.1.3.6.1.2.1.4.20,ro,5 .1.3.6.1.2.1.2

この例では、マシン 206.189.39.86 上の SNMP エージェントが、ポート 161 で Oracle SNMP エージェント インテグレータと通信します。このエージェントは、コミュニティ文字列 seahorse を使用し、MIB-II ip グループを担当します。マシン 206.189.39.204 上の SNMP エージェントも、ポート 161 で Oracle SNMP エージェント インテグレータと通信します。このエージェントは、SNMP マネージャから渡されたコミュニティ文字列を使用します。

IP アドレス 206.189.39.204 のマシンは、SNMP インタフェース グループ (.1.3.6.1.2.1.2)ipAddrTable (.1.3.6.1.2.1.4.20) を担当します。IP アドレス 206.189.39.86 のマシンは、ipAddrTable を含む MIB-II ip グループを担当します。これらのエージェントは物理的に別々のネットワーク ノード上にありますが、インテグレータから見ると 2 つのエージェントの担当は競合しています。これは、インテグレータのコンフィグレーション ファイルに指定されているエージェントが管理するすべてのリソースは、インテグレータから見ると単一のマシン上にあるかのように認識されるためです。したがって、この例の Oracle SNMP エージェント インテグレータは、ipAddrTable に対する要求を、206.189.39.86 のマシンよりも優先順位番号が小さい 206.189.39.204 のマシンにのみ転送します。ただし、ip グループとインタフェース グループに対するその他の要求は、すべて 206.189.39.86 に転送されます。

Oracle SNMP エージェント インテグレータのこの機能は、分散システムのさまざまな機能が、それぞれ独自の SNMP エージェントが設定された複数のマシンに分かれている場合には特に便利です。さまざまな管理対象リソースが個別のノードに配置されていれば、OID ツリーのブランチの重複に関する制約はそれほど重大な問題ではありません。同じタイプの管理対象リソースが複数のマシンに配置されている場合は、複数の Oracle SNMP エージェント インテグレータを使用してそれらのリソースを管理できます。


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